娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
人というのは『自慢話』ほどしたくなり、『求められる話』ほど焦らしたくなるものだ。
だから会話を誘導し、相手に気持ちよく自慢させる。
欲しい情報をあからさまに“欲しい”とは悟られないよう、“話したくなる”ように気をつけて。


しかし『最も口が軽くなる瞬間』は、“奉仕されている瞬間”で。


“もう少し、あと一歩踏み込んだ情報を···シャルの現状を····!”


酒屋だけではどうしても決め手に欠ける。
“お客を取るにはどうしたらいい?太客がつけば、そしてどうしてもと求められれば···!”


「君がリリス?」


そんな焦る私の前に現れたのは、服装はシンプルだが上質だと一目でわかるしっかりとした生地。服の上からもわかるがっしりとした筋肉。

そして少し長めの藍色の髪を横で縛り左目に眼帯をしている、繰り返し何度も新聞で見た····


「·······魔法騎士団の、騎士団長様·····?」
「おっ、俺認知されてんの?どうしよ、好きになっちゃうなぁ、殺されちゃうかなぁ!?」

なんてとても楽しそうに笑っていた。

「え、本物···?」
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