娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる

あまりにも気の抜けたその台詞に思わずそう口が滑り、“学習しなさすぎだ自分！”と焦る。
しかしそんな失言も気にしないどころかむしろ可笑しそうに、「こりゃ部下も連れてきてどっちが本物だクイズすりゃ良かったなぁ！」と団長様はにこやかにしていた。

そしてこほんと咳払いをひとつ。
さっきまでの雰囲気とは一変した真剣な空気に息を飲んだ。

“の、飲まれちゃダメ、この人なら絶対知ってる。なんとしても情報を引き出したい···！！”

ごくりと唾を飲み込み、団長様と向かい合う。
こんなチャンスはもう来ないかもしれない。
だったらもう背に腹は変えられない！

気合いを入れ、“今の私は酒屋の売り子であって娼婦じゃないし！”と開き直り元No.1···どころか娼婦としてもあり得ない一言を彼に言った。



「貴方に買って貰うにはいくら払ったらいいかしら！？」
「君を買うにはいくら払ったらいいのかな？」