娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
その事に私が気を取られている間に、団長様はサクッと交渉してくれたらしく。


「今回だけは特別だよ、下手しないように」

なんて忠告付きだが私は一晩だけ娼婦に戻ることを許された。



カトレアの部屋に入り、団長様を·····

“ベッドに案内···するべき、よね?”

最終的にどちらがお金を払うか問題は置いておいて、そもそもここは娼館。
そして娼館に来たという事は“そういう目的”がある訳で····

「·····こちらにどうぞ」
私はそっとベッドに彼を誘導する。

「君は俺に抱かれたい?それとも抱かれたくない?」
「え?」
「俺、据え膳は食うタイプなんだけどどうする?」

なんて、ドアのところに立ったままの団長様はそんな事を聞いてきた。

“せ、選択権私にあるの!?”
戸惑い一瞬口ごもるものの、動揺したせいか明け透けな本音が私の口から飛び出した。

「私は情報が欲しいです!」
「うっは、了解、じゃあ俺はこっちで」

なんて言いつつ、そっと端にある椅子をベッド脇に持ってきて座った団長様。
目的が目的の部屋なので椅子は一脚しかなく、促されるまま私はベッドに腰かけた。

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