娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
「リリスを買い上げたいんだが可能だろうか?」
率直にそう伝えると女将は一瞬ぽかんとし、そしてさすがライッツを一人で築き上げた女将というかなんというか···
「訳ありかい」
あっさり見抜かれた。
「あぁ、俺は戻れないだろう」
「なのに買い上げるのかい?」
「俺の自己満だよ、リリスがここにいたいならそれで構わないし、どこかに行きたいならどこにでも行けるようにしてやりたいんだ」
「連れて行くという選択肢はないのかい?」
「女将は第2の母だと聞いているが?」
死地に向かう事を伝えたつもりだったのに連れて行けとでも言わんばかりの発言をされ、思わず怪訝な顔を向けてしまう。
“第二の母だと言うのなら娘の幸せは第一に考えて貰いたいものなんだがな”
なんて内心ため息を吐いた。
「だからこそ、だよ。あの子が一人後を追うなら···最後の瞬間まで傍にいさせてやりたいと思うのも親心ってやつさ」
そう言葉を重ねられ、揺らがなかったと言えば嘘になる、が。
「·····それでも、俺はリリスに生きていて欲しい。俺は騎士だからこんな日が来る事はとっくに覚悟していたんだ」
率直にそう伝えると女将は一瞬ぽかんとし、そしてさすがライッツを一人で築き上げた女将というかなんというか···
「訳ありかい」
あっさり見抜かれた。
「あぁ、俺は戻れないだろう」
「なのに買い上げるのかい?」
「俺の自己満だよ、リリスがここにいたいならそれで構わないし、どこかに行きたいならどこにでも行けるようにしてやりたいんだ」
「連れて行くという選択肢はないのかい?」
「女将は第2の母だと聞いているが?」
死地に向かう事を伝えたつもりだったのに連れて行けとでも言わんばかりの発言をされ、思わず怪訝な顔を向けてしまう。
“第二の母だと言うのなら娘の幸せは第一に考えて貰いたいものなんだがな”
なんて内心ため息を吐いた。
「だからこそ、だよ。あの子が一人後を追うなら···最後の瞬間まで傍にいさせてやりたいと思うのも親心ってやつさ」
そう言葉を重ねられ、揺らがなかったと言えば嘘になる、が。
「·····それでも、俺はリリスに生きていて欲しい。俺は騎士だからこんな日が来る事はとっくに覚悟していたんだ」