娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
「伝言はあるかい」なんて聞かれ、今までの礼とこれからの希望を伝えて貰うことにした。


“リリスの自由は俺が守るよ、だから幸せになってくれ”


まだ何も始まっていないのに何故か清々しい気持ちになり苦笑する。
俺が今から向かうのはどろどろした黒い場所。

“彼女は泣いてくれるだろうか”

笑顔が好きだった。
笑顔にしたかった。

だけど俺の為に泣いて欲しいと願うのは我が儘だろうか。


そんな事を考えながら、そっと一人娼館を出た。
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