娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
「ーー行くのかい?」
「えぇ、私気付いちゃったの、“絶望的”ってことはまだ“確定”じゃないって事でしょう!?」

国が認めても、誰が諦めても。
私だけは信じるの。


娼婦は辞めた。
だったらもう“娼館で待つ”必要なんかないわよね。

「気付くのに遠回りしちゃったわ」

状況が好転した訳ではない。
それでも、“一番自分がしたいこと”を見つけて頬が弛む。


“シャルにとってはわからないけど···”

それでも、私にとって貴方は唯一。
貴方が私の“運命”だってそう思うから。


「必ず見つけてあげるんだからね!」


なんて気合いを入れた。




ーーーとは言え、クリアしなければいけない問題はいくつかある。
まずは1つ目、娼婦を本当に辞められるのか·····だったのだが。


「女将、私娼婦···」
「気にしなくていいよ、そもそもあんたは買い上げられてるし、第一復帰してすぐ客を病院送りにするような娼婦なんかこっちから願い下げだからね」
「あー、あはは····」

なんて、拍子抜けするくらいあっさり娼婦を辞められた。
まぁ、理由を言われれば納得なのだが。

“少しくらい引き留めてくれても”
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