娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
息が上がりながらも笑うメイは、「これ、餞別!今度はもっとしっかり繋いでおきなさいよね!」と、かなり頑丈な鎖を渡してくれて。
「あの、これ結構重······」
「え?」
「いや、えっと私今から旅を····」
「え?」
「·····ありがとう、これならきっと切れないわね」
「でしょう?!」
うふふ、と笑うメイは瞳の端からポロポロと涙を流していた。
「絶対帰ってきてよ····」
「約束するわ」
「英雄様と、帰ってくるのよ····」
「·····えぇ、もちろんよ」
短い抱擁を交わし、お互い笑顔で別れる。
私は外に、メイは娼館に。
次会う日を楽しみに、今度こそ本当に私は娼館を後にした。
そしてクリアしなくてはならない問題がもう1つ。
「娼婦を辞めて娼館から出たまでは良かったんだけど···」
“目的地、遠いのよね···”
どう考えても歩いて行ける距離じゃない。
有り難いことにお金には困っていないので馬車を手配する事は出来るのだが····
そもそもの目的地は隣国、もっと言えば長年戦争をしていた相手国。
更にもっと言えば····
「私、詳しい場所知らないのよね···」
「あの、これ結構重······」
「え?」
「いや、えっと私今から旅を····」
「え?」
「·····ありがとう、これならきっと切れないわね」
「でしょう?!」
うふふ、と笑うメイは瞳の端からポロポロと涙を流していた。
「絶対帰ってきてよ····」
「約束するわ」
「英雄様と、帰ってくるのよ····」
「·····えぇ、もちろんよ」
短い抱擁を交わし、お互い笑顔で別れる。
私は外に、メイは娼館に。
次会う日を楽しみに、今度こそ本当に私は娼館を後にした。
そしてクリアしなくてはならない問題がもう1つ。
「娼婦を辞めて娼館から出たまでは良かったんだけど···」
“目的地、遠いのよね···”
どう考えても歩いて行ける距離じゃない。
有り難いことにお金には困っていないので馬車を手配する事は出来るのだが····
そもそもの目的地は隣国、もっと言えば長年戦争をしていた相手国。
更にもっと言えば····
「私、詳しい場所知らないのよね···」