娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
その一言が染み込むようにじわりと広がり、団長様とシャルの時間を連想させた。


きっと彼らは私が知るよりもずっと長い時間を共に過ごし、歩んでいたのだろう。
もしかしたら私と女将のような、そんな関係だったのかもしれない。


「····私はとても助かりますが、でもいいんですか?」
「あぁ、どっちにしろ後始末に向かう予定はあったんだ。可愛い女の子を一人連れていくくらいバレないよ」

“そこ、許されるとかじゃなくバレない、なのね···!?”

つまりバレたら不味いやつだ、と理解し苦笑する。
それでももちろん乗らない手はない訳で。

“頼れるところは全部頼るわ!”

どうかな、と聞いてくれた団長様の手を笑顔で取った。


「よろしくお願いします!」


ーー目指す先は1つ、貴方のところだけ。
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