娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
“つまり、皆吹っ飛ばされたせいで最後の瞬間を見ていないってこと？”

「···だったら、シャルも吹っ飛ばされてって可能性はあるんですね！？」
「捜索はした···が、この状態だからな···」

更地になったこの場を見渡し胸が苦しくなる。
この更地を捜索しても見つからないと言うならば、それはどれくらい吹っ飛ばされたという事になるだろう？
そう考えるとどうしても思考が暗くなりかけーー···

“弱気になるのはダメだわ”
グッと指を握り込み、前を向く。

“全然違う目で見れば何か気付くこともあるかもしれないもの！”

何かしなくてはと辺りを見渡し、ここに着いた時には無かった人影に気が付いた。

「あら？」

なんだろう、と思い無意識にその人影をじっと眺めると向こうも私が見てるのを気付いたのか····

「次代の英雄って、あんた？」

突然叫ぶような声が聞こえて動揺する。

「え？えっと···」
「お前らは、お前らは本当にクズでクソだよ、そうやって敵だけじゃなく味方も簡単に切り捨てるんだ！！」
「········ッ！？」

怒鳴るように声を張り上げられ、言われた内容が一瞬遅れて私に届く。
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