娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる

幕間:それが誰かの尻拭いだとしても(シャル目線)

共同作戦なんて無茶だと思ったが、やれと言われたならばやるしかない訳で。


「今回の作戦に当たります、シャスティール・シルビルです」

そう頭を下げた相手はつい先日まで狙っていた首、そして今回の共同作戦のメイン指揮官にもなっているレーヴン公爵ご本人だった。

公爵はこちらのメンバーをじっと見て何かを考えているようで。


“こっちの指揮官が俺だと言うことが不満なんだろうなぁ”
なんて内心ため息を吐いた。

こちらは名ばかりの英雄の俺と、魔法騎士が4人のトータル5人。
魔獣と戦うのに少数精鋭過ぎて、形ばかりの共同だと捉えられていてもおかしくない。

“ここに団長がいたら、本当に少数精鋭って思って貰えたんだろうな”

とは思うが、もちろん捨て駒を投げやりに配置したという訳ではもちろんなく。
そもそも魔法騎士一人で小隊くらいなら撃破出来るくらいの能力があるのだ。
俺からしたらよく5人も送り出したな、とむしろ称賛したいくらいの気分である。


“なんとか上手く伝えられねぇかなぁ、適当なメンバーじゃなく、本当に選ばれたメンバーだってわかってもらえれば待遇が変わりそうなんだよなぁ”
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