娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
戦争に行かなくてはならないのなら、極力心を殺して“自分の中の大義”を見つけるか“自分を兵器”として責の場所を自分からズラすかしなくては最後まで戦うことなんて出来ないのだ。


それでも何度も戦闘を重ねると唐突に気付いてしまう。
“自分が奪ったもの、壊したもの”に。

一度気付いてしまうと、俺のように悪夢に囚われる。
そしてそれは、“奪われた側も同じ”でーーー···


「コレ、返すな。殺したいなら殺気も消して忍び寄って音もなく、だ。まぁ、まだ死ねないから殺されてあげられはしないけどさ」

そっとナイフを拾いその少年に渡すと、さっきとは逆で渡したナイフを叩き落とされ····

「いってぇ!」

ガブリと腕に噛みつかれた。
いや、なんで噛む!?
想定外なんだが!!

「ナイフ渡してんだからせめてそれ使えよ!?」
「ナイフ受け取って斬りかかっても避けるんだろ!こっちのが意表つけたじゃんか!!ざまぁみろ!」

それはまぁ、確かに?なんて思わず納得しかけ、いやそうじゃないだろと気付き言い返そうとすると、もう男の子はいなくなっていて。

「いや、逃げ足はえぇ···!」
< 223 / 308 >

この作品をシェア

pagetop