娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
全て焼いたかと思ったが“生きている”土地を見て安堵する。
自分勝手な事だと苦笑しながらそのまま歩みを進めると目の前に広がった光景は。

「········は?」

そこは瓦礫の山だった。
そしてその瓦礫には。

「エトッ!?」

必死に瓦礫を掘るエトがそこにいて、慌てて駆け寄る。

「どうした、何があった!」
「お前らがっ、お前が!!」
「落ち着け、とにかくコレ退かすのか!?」

エトが掘る瓦礫を一緒に掘りつつ嫌な汗が伝う。
堀りながら周りを見渡すと、遠巻きに何人かがこちらを窺っている姿が見えた。

“まだ建っている建物もかなりガタが来てる、状況からして目の前のこの瓦礫は今日壊れたものって事か”


俺達が戦ったせいで被害を受けた建物が、とうとう限界を迎え崩れたのだろう。

“埒が明かない”
ちまちま掘っても意味がないと判断し、エトの服を掴み瓦礫から無理やり離れた。

「な、なにするんだッ!!この人殺し!!!」
「何人だ?」
「離······、え?」
「何人埋まった?」
「な、なんでお前なんかにっ」
「助けたいんだろ、何人だって聞いている!」

咄嗟に怒鳴り付けてしまう。
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