娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
そう伝えると、エトは困ったような表情をしていた。

「あ·····そうだよな、怪我人もいるのに討伐が終わった後じゃ遅いよな、俺達がテントに移動するからもう住むか?」

と聞くと、思いっきり顔面を平手打ちされた。

「いってぇ!?」
「なんでなんだよ、俺は!殺そうとしてんだよ!それにさっきだって、石投げられて怪我して、なのになんでそんな事が言えるんだよッ」
「え、えぇ···?」

そんな俺達の会話を聞いていた他の人達も恐る恐る近寄ってきて。


「····その、助けてくれたのにごめんなさい」

小さな子がそう謝ったのを皮切りに次々と頭を下げられ驚いた。



結局彼らは施設に移り住みはしないと決めたが、俺達が張ったテントに住みながら建物を修繕しそこで生活を続ける事にしたらしかった。

元々時間をもて余していた事もあり、たまに修繕を手伝いに行ったりもして。
確執がゼロになったとは言わないものの···

「英雄のくせになんでそんな事出来るんだよ」
「他にも猫探しとか売り子とかもしてた事がある」
「何、そっちの国って英雄の事便利屋だと思ってるの?」
「否定は出来ない、かな?」
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