娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
もちろん全員がそんな考えを持っている訳じゃないようではあるが。

“まぁ、最近まで殺し合ってたんだもんな”
と納得し、仲間に指示を飛ばす。

「絶対俺の前には出るな!俺が吹っ飛ばされる攻撃なら他の誰も耐えられない、必ず回避できる距離を保って攻撃を仕掛けろ!俺達はサポートだということを忘れるな!!」
「あぁ!」


事前情報の通り魔獣には知能がないようだった。
それに一度過去に封印成功しただけあり必要な情報が揃っていて。

“思ったより順調だな、これはいけるかもしれない”

なんてそんな空気がその場に漂って。
ーーそういう時こそ、事故は起きるもので。


「うわぁ!」

その叫びが聞こえた時には相手国の騎士が魔獣の尻尾で弾かれ、隊列が崩れた隙に後ろ足で踏み潰される。

「ーーーは!?くそっ!」

意識は完全に自分に向いていると思っていたのに、とギリリと歯軋りをした。

「知能はなくても頭脳はあるってか····!?」

一度隊列が崩されると再編しなくては役に立たない。
各個撃破の戦場ならともかく、チームを組んでの作戦が一度崩れると何一つ噛み合わなくなるからだ。

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