娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
「そんな、さっきまであんなに···!?」

驚く二人を見ながら、本当に上手くいったのだと安堵し力が抜ける。

“良かった、魔法···ちゃんと発動したのね····”


「リリスちゃん魔法が使えたんだな!?魔力とか微か過ぎて気付かないレベルだったのに、これって愛のー···」
「·····お姉さんも、寝ちゃった···?」
「あぁ、からかうのは起きてからにしような」
「からかうのを止めてあげてよ···」


ずっと気を張っていたからか、なけなしの魔力を全部注いだからか私の瞼は凄く重くて。

団長様と男の子の会話がやたら遠くに聞こえるな、なんてぼんやり思っていた。
そしてそのまま、促されるように目を瞑る。

久しぶりに聞くシャルの穏やかな寝息を感じながら。




シャルに寄り添い横になった私の髪の毛を、そっと彼が掬うように撫でてくれるまであとほんの少しーー····
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