娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる

邂逅:求め続けたその赤を掬う(シャル目線)

ーーーあれ、どうなった? 


いや、何が“どうなった”なんだ?



自分が持ったその疑問に疑問を抱く。
なんだ?
ここはどこだ?
俺は何を考えていたんだ?


わからない事だらけで、でもそういう時こそ冷静な判断をしなくてはならない。

「俺は英雄なんだから···」

その呟きに導かれるように、気付けばあっという間に敵兵に囲まれる。

「この程度の人数なら···!」

軽く剣に魔力を流し大きく一振りすると、簡単に敵兵は崩れていき足元は赤い海になっていた。


パシャリと水飛沫を上げながらそのまま走り、目につく人間をひたすら斬り倒す。

“数なんて数えるのは無意味だな”

俺は兵器だから、命令されるがまま斬り捨て駆け回り、逃げる場所を奪うために魔法を放って森を焼く。


火から逃げてきた人々をそのまままた斬り伏せ、終わりのない戦いを続ける。


「きりがないな」

そう呟き、長時間の戦闘だから疲れたのかと、重くなった体に目を向け息を呑んだ。


「ぁ······あぁ、あ······」
「ーーッ!?」
「どうして·····殺すの·····」
「ちが、違う、俺は命令で仕方なく···っ」

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