娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
「はは、敵わないな、リリスには」

なんてまた抱き締められた。





少し落ち着いてからテントを出ると、こちらに気付いた団長様がにこやかに片手を上げて合図をしてくれた。
そして団長様の側に二人で近寄ると、そこには他の騎士様も皆待機していて。

「無事で本当に良かったよ、エト!」
「怪我はないか、治すぞ!?エト!」
「痛いところはないか、辛くなかったか、エト!」
「今までどこに行ってたんだよ、心配したんだぞ、エト!」

「なぁ、俺ってもしかしてめちゃくちゃ嫌われてんの····?」
「いや、愛されてるからこそこの対応なんだろ」

ハハッと団長様に背中をバシバシ叩かれて複雑そうな顔をしているシャルを見て、本当にシャルが居る現実にじわじわと頬が熱くなる。

「だってさぁー、いや、俺らだって心配したよ!?」
「つーかぶっちゃけ泣いたね、泣きながらお前の痕跡探してさぁ!」
「その結果なんだよ、あの高級娼館・ライッツの不動のNo.1、アマリリスちゃんのキスで目覚めるとかそんなオチ····!」
「なっ!?」
「ッ!?」
< 249 / 308 >

この作品をシェア

pagetop