娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
ほのぼの見ていたら突然自分の話に飛び火し、しかもキスした事まで言われて一気に顔が茹で上がる。
それはシャルも一緒だったようで。

“シャルも頬が赤くなってるわ”
そう気付くと、こんな事すら嬉しく感じた。

そんな私の視線に気付いたシャルは、ふっと苦笑を向けてきて····


「やめてくれーーー、なんでここでそんなラブぃ雰囲気作れるんだよ」
「最後までからかわれてくれ、俺達にこれ以上辛い思いをさせないでくれよぉ!」

なんて騒いでいた。


“きっとこの騒がしさすらも気にさせない為の気遣いなのだろう”
そう感じ、シャルが皆に大切にされている事を実感して胸が熱くなる。


「····そういえば、エト君はなんでシャルを匿っていたの?」

気になっていた事を聞くと、少し気まずそうにしながらぽつりぽつりと答えてくれた。

「英雄のお兄ちゃんはさ、誰も殺したくなかったって···泣いてたから。また戻ったら“兵器”ってやつにされちまうんだろ?だったら、このままここに居てくれたらいいのにって···思ったんだ···」
「そうなんだね」

皆シャルを想っているのね。
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