娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
なんてからかわれてまた笑った。



まだ本調子じゃないから、という理由でシャルが共同作戦時に使っていたという施設に移動した私達は、全ての仕事から外されて。

『後始末くらいは俺らがやるから、お前はしっかり元気になっとけよ』

なんて言われ、気付けばシャルと二人、部屋に置き去りにされていた。


“これはまたロマンチックな雰囲気に···?”
なんて少し胸が跳ねた私と、そんな私とは反対にとても真剣な表情をしてドアの外に意識を集中させているシャル。


「····えっと、何を····?」
「シッ!ここぞと言うときに乱入してくるのが団長なんだ····っ!」
「そ、そうなんだぁ···」

“い、今まで何があったのかしら···”
なんて少し戸惑いつつ、必死に様子を伺うシャルを見てー····

「あ。」

そういえばいいものがあったわ、と鞄からメイに渡された鎖を取り出す。

「シャル、私こんなもの持ってるんだけど」
「ぅえ!?な、なんでそんな太い鎖を!?」
「娼館を出る時にメイから渡されたんだけど····ちょっと、そんなに警戒されると流石の私もお仕置きしたくなるんだけど?」
「ごめんなさい」
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