娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる

26.祝う気持ちは心の中に留めるべき時もある

「ひ、避妊薬·····！」
シャルもハッとしたように私の言った言葉を繰り返す。

“正直····私はシャルとの子供だったら···欲しい、けど”

欲しいからとねだれる訳ももちろんなくて。
それにこれは二人の意思が絶対必須な訳で···！！

色んな意味で心臓が痛いくらいに跳ねる私に、シャルは少し考え···

「····ダメだ、絶対ダメだ」

とハッキリ言った。


“ダメ”
シャルのその一言に少し胸が重くなる。

そりゃそうよね····押し掛けてきて、受け入れて貰えたからと言って別に私達は恋人って訳じゃないものね·····
そう気付き、無意識に下を向いてーー···

「俺まだリリスにプロポーズもしてないのに、順番がおかしくなる····！」
「·········へ？」

突如耳に飛び込んだ言葉に、私は本気で間抜けな声を出してしまった。

「·····あ、え？えっと、シャル····？」
「王都に帰ったらすぐ指輪を用意して····あ、リリスのサイズ聞いてもいいか？でもその前に花、花くらいは···というか待って！」
「あ、は、はいっ！？」