娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
なんて外からそんな声と口笛が聞こえたがお構い無しに、娼婦時代に培った優雅に見える全力の“妖艶な笑顔”を振り撒いた。

「·····ホント、リリスに勝てる気しないわ」
なんて笑ったシャルは、そのまま私の膝裏に腕を差し込みそのまま抱き上げて。

「じゃ、そういうことで!」

今度は窓と、しっかりカーテンも閉めてベッドに戻った。



そこからのシャルは凄かった。
病み上がりだなんて思えないくらい真剣に何かの魔法を練り上げていた。

「シャル、一体何を····」
「今集中してるから後で!」
「·····了解」


物凄く集中しているシャルを眺め····るのも飽きた頃、パッと振り返ったシャルは物凄くいい笑顔をしていて。

「これで完璧だ、もしまた魔獣が来ても耐えれるくらいの防音かつ防御障壁だぞ!!」
「·············そう」

“それは、流石に能力の無駄遣いなんじゃ”なんて思ったが、まぁいい笑顔なので良しとした。


そしてそのままベッドに座っている私の横にそっと腰掛けたシャルは。

「·····く、流石に疲れた」

なんて項垂れていて。

“そりゃそうでしょうね!?”
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