娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
と内心全力でツッコミをする。

元気そうにしているし、実際治癒魔法で体の方は治ったとはいえ···
“討伐の後から目覚める事なく悪夢に囚われていたのなら、精神の消耗が激しすぎるわ···”


「シャル、寝ましょ····?」

そっとシャルの体に体重をかけ、押し倒すような形で一緒に横になる。

「リリス?」
「今なら私、添い寝だけで幸せな夢をプレゼントしてあげれると思うのよね」

なんて言いながら、シャルの腕というより肩に頭を置いて思い切り甘えるように身を寄せた。



「········それだと俺が足りないんだけど」

そのまま私に覆い被さるように体勢を変えたシャルは、熱っぽい視線を私に向けながら···

「寝たらごめん」

とキッパリ言い切った。


······うん、潔いわ。



「まだ口頭約束だから、最後まではしない」
少し気恥ずかしいのか、スイッと視線を逸らしながらそう言うシャルに私は思わず笑ってしまう。

「私は構わないわよ?」
「だ、だけど口だけかもとか心配されたくないし!」
「あんなに証人がいるのに?」
「それはそう····か?」
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