娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
なんて少し考え込むシャルがなんだかとても可笑しくて。

“こんなに全身で大事にされてるのに、疑う訳ないじゃない”

「それに···証人がいなくても、私はシャルを信じてるわ。だって」

そっとシャルの頬を両手で包むと、少しきょとんとした顔と目が合った。

「····こうしてちゃんと、帰ってきてくれたもの」

もう二度と離れたくないと思うほど、これからを歩みたいと思うのは世界できっと貴方一人。

そんな想いを込めてじっと見つめると、そのままゆっくり口付けが落とされて。



「·······ーーあぁ、寝たくないなぁ···、寝たいけど寝たくない····」

なんて、面白いくらい本気の本音が聞こえた。


「いっぱい寝て、寝不足を解消したら寝なくてすむのかしら···?」
ふとそんな疑問を持ち口に出すと、パッと上半身を少し起こしたシャルは、やっぱり物凄くいい笑顔をして。

「そ、それだ!!寝不足解消して、心も体も健康になったら俺の魔力耐性も向上するし、そもそも足りてるなら睡眠を補給しようとする力だって減るし!!」

天才じゃないか、なんて言われて笑ってしまう。
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