娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
じゃれあうようにぎゅうぎゅうと互いに抱き締め、ベッドに転がり、時折そっとキスをして。
誘われるまま夢の中へ旅立って。

そして目が覚め、少し照れ臭くて、でも離れていた時間を埋めるように啄むようなキスから深いキスへ。
そっとシャルの手のひらが私の腰を撫で、私の耳には少し熱の籠った吐息······かと思ったら、寝息がかかった。

そしてそして目が覚め、ちょっと苦笑しつつ照れ笑いを互いにし、今度こそという気持ちとさっきの意趣返しのような悪戯心でシャルの頬を甘噛して。
そんな私にシャルも楽しそうに耳を食み、くちゅ、と舌で耳を責める。
その直接響く音とシャルの熱い舌がゾクゾクと私の快感を誘い、シャルの体重が私の自由を奪った·······のはシャル本人が意識を手放したからだとすぐに察し“あ、寝たわ”と気付く。

そしてそしてそして目が覚めたシャルは、今度は決死の覚悟で私を押し倒して来たので“だったらいっそ私がすればいいのでは?”と思いそのままごろんと体勢を入れ換えると······
「寝たわね····」もうすやすやしていた。


そんな事を繰り返してもう8回目。
次目が覚めると9回目である。

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