娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
“それってつまり、私に心を全部まるごと許してるって事なのでは?”

と気付いて頬が弛むのが止められない。
どうやらこの想いの大きさは一方通行じゃないらしいと実感し、胸の奥が温かくなった。



「そういえば、シャルも魔力無効化?って魔法使えるの?」
機嫌がころっと直った私はふと気になってそう質問する。

「魔力耐性を上げるのは得意なんだけどな、無効化は俺は使えない」
「じゃあ、魔力耐性の魔法をこのアーティファクトに入れたら魔力耐性の魔法は発動するの?」
「へ?」

団長様に渡されたあの壊れたアーティファクトを取り出しながらそう聞くと、きょとんとしたシャルはそのまま少し考え込み···

「確かに、無効化よりは効果が薄いだろうけど外付けで魔力耐性向上を発動すれば俺が受け入れてても関係ない、か···?」

と、まじまじとアーティファクトを眺め、すぐに何らかの詠唱を始めた。

暫くし、ベッドの真ん中に置かれた完成したであろうアーティファクトを挟み向かい合って····

“じゃあヤりましょうか!というのもなかなかに恥ずかしいわね···!?”
なんて。
改まったこの状況に少し照れてしまう。
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