娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
“こうやってシャルのを見るのって、初めてかも····?”
なんて気付くと色々気になってしまうわけで。


息を整えながら余韻に浸りつつ、そっと指に取ったソレを口に近付けてーー···

「ストップ!!!」
「わぁっ」

口に入れる寸前で同じく息の上がったシャルに止められた。

「な、何をしようとしてるのかなっ、リリスさん!?」
「ちょっと味が気になって」
「それ食べ物じゃないからね!?」
「毒でもないわ」
「そういう話をしてるんじゃありませんッ!!」

なんて慌てたシャルは、私の手と太股に残った残りを急いで拭いた。
ーーーシャルのシャツで。

「それ、服···」
「ぅおっ!?いや、でも緊急事態だったから···」

スッと視線を外しつつそう答えるシャルがなんだかとても可笑しくて。


「この部屋、着替えもあるといいわね?」
なんてそのままシャルに抱きつくと、シャツをぽいっとベッドから落とし抱き止めたシャルは再びごろんと横になった。

二人で寝転びながらぎゅうぎゅうと抱き締め合って。

「ま、なんとかなるよ」

なんて笑って。
そんな風に幸せを噛み締めていた私達はその時はまだ知らなかった。

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