娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
「まぁまぁまぁ!つまり私とゆっくり育みたいという事ですのね!えぇ、どうぞ私をシャスティール様のお好みに育ててくださいませ!」
「この言葉通じないお化けぇぇ!!」

ぎゃあぎゃあと騒ぐ二人に呆気にとられる。

“私に視線も興味も持ってくださらない···!”


この最強ポジティブ王女様に、もしかして団長様が言っていた“性別を変える”が冗談ではなく本気の提案で、それくらいしなくちゃ諦めないのでは!?なんて思うほどで。

でもそんな魔法はないと言われたし···なんて思わず遠い目をしてしまった。


そんな時遠くから人···というか警備に当たっていた騎士が私達の騒ぎに異変を感じて集まってきたようで。

“というかこんなに騒いだり悲鳴を上げてたらこうなるわよね”
まぁ悲鳴を上げてるのはシャルなんだけど。
と妙に冷静に考えていた。


そして騎士達に気付いたのは王女様も一緒だったようで。


「大変だわっ!逃げますわよ」
なんてシャルの左腕にひしっとしがみつき。

「ひえぇぇえ!!」
と叫びながらシャルが私の左腕にひしっとしがみついた。

「わ、わぁぁ····」
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