娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
そう釣られて声を上げながら、私とシャルは王女様に引きずられるように走り···



「ここまで来れば追って来れないのではなくて!?」
「城に、城に帰ってくださいよぉ···!バレて俺が拐ったとかになりません!?もう本当に嫌なんですけどぉ!!」
「だ、大丈夫?シャル、貴方キャラが壊れかけているわよ!?」

なんて、王都の路地裏でまた騒いだ。

そしてこの状況····

“ぶっちゃけ、シャルと一緒にこの王女様を撒くのは簡単だけどそれをしてしまうと絶対罪に問われるわよね?”
しかも万一王女様に何かがあった場合は“罪”なんて軽いものではなくなってしまう。

だからと言ってこのまま王女様と行動を一緒にするのもシャルの精神衛生上良くないし···。


“一番いいのは、このまましれっと王女様を安全な城に捨てて逃げる事····?”

そう結論付けるものの、言葉通じないお化けこと王女様はひっつき虫のようにシャルにピトッとひっつき、うっとりしていて······


「·············」

“いや、普通に苛立つわね?”
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