娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
「そっすね·····」
「シャスティール様、私と半分こなんていかがですか?」
「要りません、貴女もまとめて要りません····」
「全て私に食べて欲しいだなんて、お優しいのですね···!では一口どうぞですわ、はい、あ~んっ!」
「要らない·····吐きそう·······」
「リザ様!彼は体調が悪いそうなので全てお一人でお食べください!!ほら!!!」

慌てて二人の間に割り込みそう言うと、相変わらずのお花畑変換されたらしく。

「えぇ···?そんな、私と一緒にいて胸がいっぱいということですのね···っ」
「どっちかというと胸焼けだ·····」


どんどん虚ろになるシャルに内心焦る。

“なんとか助けなくちゃ····でもこんなポジティブお化けどうしたらいいのよ~!?”

私までなんだか叫び出しそうになり····
ハッと気付くと王女様はまたシャルの腕を掴み走り出そうとしていて·····


“と、いうかシャル、改めて見るとめちゃくちゃ辛そう····?”


ずっと王女様ばかり見ていたせいで反応が遅れたが、シャルが嫌悪からというより本当に体調不良から顔色が悪い事に気付く。
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