娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
最終話:娼館の元人気No.1は。
私の質問の意図がわからず、それでも真剣な様子の私に彼は誠実に答えてくれた。
「ただの称号だ。····なりたくてなった訳でもない。本当はなりたくだってなかったんだ·····幻滅、するか?」
「いいえ」
彼の本音を聞き、そっと首を左右に振る。
そしてその回答に安堵した。
それに····
“私に幻滅しなかった貴方に幻滅なんて、するはずないじゃない”
「·····だったら、捨てましょう」
「は?」
「ちょ、ちょっと貴女!!さっきから失礼過ぎじゃありませんこと!?」
怒りながら私達の話に割り込んでくる王女様に向き直り、改めて私は問う。
「王女様が好きなシャルって、どんなですか」
「はぁ?そんなの、英雄で、強くて、優しくて···」
「私が好きなシャルは、可愛くて、強いのに守りたくなって、たまにちょっと不憫だけど」
「不憫?」
「不憫····」
いつも守ってくれた。
誰よりも強かった。
でも。
「誰よりも大切にしたくなる、とても弱い人よ」
同じくらい苦しみ、悩み、頼るのが少し下手なそんな人だった。
「英雄相手に弱いだなんて、本当に性格の悪い女ですのね!?何にもわかってないわ!」
「ただの称号だ。····なりたくてなった訳でもない。本当はなりたくだってなかったんだ·····幻滅、するか?」
「いいえ」
彼の本音を聞き、そっと首を左右に振る。
そしてその回答に安堵した。
それに····
“私に幻滅しなかった貴方に幻滅なんて、するはずないじゃない”
「·····だったら、捨てましょう」
「は?」
「ちょ、ちょっと貴女!!さっきから失礼過ぎじゃありませんこと!?」
怒りながら私達の話に割り込んでくる王女様に向き直り、改めて私は問う。
「王女様が好きなシャルって、どんなですか」
「はぁ?そんなの、英雄で、強くて、優しくて···」
「私が好きなシャルは、可愛くて、強いのに守りたくなって、たまにちょっと不憫だけど」
「不憫?」
「不憫····」
いつも守ってくれた。
誰よりも強かった。
でも。
「誰よりも大切にしたくなる、とても弱い人よ」
同じくらい苦しみ、悩み、頼るのが少し下手なそんな人だった。
「英雄相手に弱いだなんて、本当に性格の悪い女ですのね!?何にもわかってないわ!」