娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
「性格悪くて結構だわ!わかってないのも貴女の方よ。私は私のやり方で自由に彼を守るもの」


ガシッと王女様の腕を掴んだ私は、騒ぐ王女様を無視してそのまま街の憲兵のところまで引きずって。

「この人王女様なので!丁重に城まで届けてくださいね、何かあったらみんな殺されちゃうかもしれませんから!」

なんて、声高らかに宣言する
その場が騒然となったのは言うまでもなく···

“ついでにその王女様のお相手も押し付けてごめんなさいっ”

と心の中で全力で謝罪しながら、その混乱に乗じてシャルの手を握り市場の人混みに飛び込んだ。


「ちょっと待ちなさいよっ!?私の運命の人なのよ!!!」

なんて声が後ろから聞こえたので、そっと振り向き、べっと舌を出す。

「私の運命よ!悔しかったら実力で拐いなさい!」



私達は暫くそのまま走って···
これでも娼婦としてこの街に来てから6年も過ごしたのだ、箱入りの甘やかされまくった王女様なんかが知らない道だって沢山知っており、あっという間に完全に撒いた。

「·······ふふっ」
「·······ふはっ」

撒くと同時に私達はお互い噴き出して。
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