娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
我が国の英雄、これからも戦場の中心に立つそんな彼が、今だけは“ただのシャル”としていられますように。
願わくば、彼の未練の片隅に私がいたら···なんて。
それは流石に傲慢かしら。




どれくらいの時間そうしていたのだろうか。
彼の柔らかな髪に指を通し幾度となく感触を楽しんでいたそんな時···

「リリス」
「?」
「なんか、凄く眠くなってきた····」

湖を眺めながら体を寄せ合い時間を過ごすという多少なりともロマンチックな雰囲気をぶち壊すかのような申告に、私は思わず脱力した。
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