娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
何故か勝手に守られてきた私の純潔をシャルにあげられるのなら。
シャルが貰ってくれるのなら···

“お金で結ばれた関係でも···きっとシャルなら、とても大切に抱いてくれるわ”


知り合って長い時間が過ぎた訳でもないのにそう確信する。
今からシャルと、と思うとやっぱり少し恥ずかしくて、赤くなった顔を隠すようにそっとシャルに抱きついた。


「じ、じゃあ私、あんまりドキドキしないように頑張るわね」

正直ドキドキしないなんて無理だと思うが、少しでも魔法の力が抑えられる事を祈ってそう伝えた。
ーーの、だが·····


「へ、なんで?」
「え、なんでってなんで?」


きょとんとするシャル。
ぽかんとする私。


「今晩は一緒に、その····寝るのよね?」
「昼間出掛けててリリスも睡眠足りてないだろ?だから····」


睡眠が、足りてない?
も、もしかして·····

「本当に寝る、だけ?」

怪訝な顔をしているシャルに重ねて聞く。

「ここ、娼館だってわかってるわよね?」
「そんなの当然わかって·····わ、わかって····え?」
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