娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
数度腰を撫でた手のひらはそのまま胸まで上がり、その膨らみに這わされた。

初めて触れられる胸に、痛いほど心臓が跳ねる。
その事実に気付き、そして別の事実にも気付いてしまった。


“こ、このままだったらすぐにシャルが寝ちゃうわ···!?冷静になるのよ、私!!”


少しでもドキドキを軽減しようと無理やり真顔に戻し、脳内で最近食べたご飯を思い出す。

“夕飯は軽めにサラダ。昼はシャルとサンドイッチ、朝は牛乳一気飲みして、昨日の晩は···”


「ーーホント、嫌なら言って!?!?」


そんな私の様子に明らかに戸惑っているシャルと目が合った。

「えっと、嫌なんじゃなくて、その···」

物凄く複雑そうな表情のシャルに、これは変な誤解をさせていると少し慌てる。

「し、シャルが私の魔法で寝ちゃうかもしれないから、少しでもドキドキしないようにしなくちゃと思って····その······」
「あぁ、なるほど···」

私の説明に納得してくれたシャルは、そのまま私の頭を軽く撫でてくれて。
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