娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
丁寧に、痛くないように。
大切に大切に解され心も体もこれ以上ないと言うくらい熱くなっていた。

じんじんと痺れているのは敏感になったカラダなのか、それとも脳の奥なのかもうわからなくて、溢れる嬌声の合間にはふはふと息を吐くので精一杯になっている時だった。


「·····可愛い、リリス」


呟くように、囁くように。
ぽつりと言われたその一言があまりにも熱っぽく甘かったからだろうか。


「······だいすき、シャル···」

気付いた時にはもうその言葉が私の口から零れてて。


「ーーーッ、リリス、今の············げっ」

ぱっとエメラルドの瞳を丸くし顔を上げたシャルの頬がじわりと赤らんだと思ったら、そんな場にそぐわないなんとも間抜けな声が部屋に響いた。

「············えっ?」

げ、と口走ったシャルはそのままバタリとベッドに倒れ込む。

“これは······まさか·········”

そっとシャルの顔の近くに耳を傾けると、すうすうと寝息が聞こえてきて。


「ね、寝ないって言ったのにーーーっ!!」


寝てしまったシャルに泣き言を言っても仕方ない。
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