娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
こうなってしまってはしばらく起きない事はもうわかっているので、一人いそいそと脱がされた服を再度着直し、穏やかな表情で眠る彼の横に寝転がる。


「この状況って、お預けってやつなのかしら」

それはどっちに対してのお預けなのか、なんてぼんやり考えつつ、ばかと小さく文句を言ってそっと彼の唇に触れるだけの口付けを落とす。


「次こそ絶対貰ってよね」


そう呟いて、彼の隣で私もそっと夢の世界に旅立つのだった。
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