娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
「ダメだ、休暇は必ず取れ。少し戦地から離れればまた眠れるかもしれない。」


眠れる····?俺が?
確かに寝れないというのは精神的にキツいものがあるが、だからこそ戦場で飛び回る方が楽だと感じた。
だって。

「どうせ寝れませんよ、魔法も薬も5分ももちませんでしたし」

寝れない悪夢か、本物の悪夢か。
どちらが地獄かと考えたところでこの団長に通じるはずもなく。

「俺にいい案がある。女を買うんだ」
「あんたバカァ!?」

悪夢からどうして女を買う話になったのかと唖然とする俺。
そんな俺の肩をバシバシと力一杯叩きながら物凄くいい笑顔の団長は。


「ほら、適度な運動と欲求不満の解消は安眠に繋がるだろ?な!お前ならヤれる!お前ならイける!自然に寝てこい!!」

“こりゃもうこっちの話聞かないな、それどころか行くまで言い続けられそう”


いっそこれも任務だと思って行くだけ行くか、と半ば諦めつつ行くことを決意する。
それに自然の流れで眠れるならもしかしたら、なんて可能性もあった。
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