娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
何故か私より先に泣いているメイを見て少し笑い、そして一緒に少しだけ泣いた。

その後涙で崩れたメイクを直し、デートに向かうメイを見送る。


一人部屋に戻り、もう一度号外を眺めた。


「10日後の凱旋パレード····」

どんな服で行こうかな、と考え小さく笑った。
彼は気付いてくれるかしら?
さすがに人で溢れるだろうし気付かないかな、そもそもパレードとか苦手そう。

最初にここに来た時みたいな仏頂面でパレードに参加してたらどうしよう?


「それから、彼がここに来てくれたら····」


“それでも、リリスのハジメテは俺が欲しいんだ”
そう言ってくれたシャルを思い出し一人ベッドで身悶える。


「そ、そうだわ、ここに女将が書いた娼婦のススメ-スペシャルエディション-があったはず、帰ってくるまでにしっかり勉強しなくちゃ!!」


シャルとのハジメテを想像し、ドキドキしながら私はその日を待つのだった。
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