娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
「え······なんで······?」

まだパレードをしているはずのシャルがそこに立っていた。
······心なしかガッカリした顔をして。


「いや、いいんだ、別に感動的な再会とか想像してなんかなかったし···むしろリリスらしくて·····うん····」
項垂れつつぶつぶつ話しているシャルの言葉を無視して、いるはずもない“彼”に問いかける。


「·······え、本物?」
「偽物もたまにいるらしいけどね」


それは初めて会った時にした会話。
そしてあの時とは違う感情が私の中に込み上げる。

「ーーーおかえりなさいっ!!」

喜ばしい日に涙なんて見せたくなくて、誤魔化すように目の前のシャルに抱きつくと、ただいまと笑いながらそっと抱き締め返してくれた。




「凱旋パレードはどうしたの?」

シャルに促されるままベッドに腰掛け、気になっていた事を聞いてみる。

「あぁ、偽物が出てる」
「偽物が出てる!?!?」

衝撃的な答えに唖然とするが、これが違和感の正体かと思うと納得も出来て。

「ど、どうりで···何か変だと思ったのよね···」
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