娼館の人気No.1はハジメテの夜を夢見てる
「えっ」

いやいやここは娼館だし!?
女を買いに来て“いらない”ですって!?
それもNo.1の私を···!?

自分に床の技術があるないで言えばないだろうが、それでもNo.1のプライドはあるのだ。
いくら相手が国の英雄でもこの言い種は少し癪である。
しかし思わず剣呑な雰囲気が出た私に、何も悪びれない彼は。

「金はちゃんと払う、あんたはその時間他の客を取ってももちろん構わない。2倍稼げるのに何が不満なんだ?」

なんてしれっとしていて。

確かに彼が寝ている間のお金も払ってくれて、かつその時間他のお客を取っていいなら単純に2倍稼げるけども!
だけども!!!

「·······いえ、私共は“最高の夢”を売っておりますので、まず先に気持ちよくなっていただきます!」
「いらないいらないいらないから!!」

娼館に夜を買いに来てここまで拒絶される事があるだろうか。

「だ、め、で、す!!まずイッてください!」
「いいって!別に女が買いたくて来たんじゃないんだよ!!」
「は?」
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