アイドルプロジェクト!
☆ ✭ ☆


まさか、あれからわたしたちが本当にオーディションに参加できるとこまで選考に通過するなんて思ってもいなかった。


このオーディションは技術的な最終選考をする前に、人数を絞り込むために書類選考をする。

正直、歌もダンスも未経験のわたしたちは大会での結果なんて持っていないから不利だと思っていた。


でも、家に届いた”通過“の文字は現実を物語っていて、夢の中にいないか、千紗と一緒にほっぺたをつねりあって喜んだ。もちろん、痛かった。



これからわたしたちは少しのあいだ学校を休んでアイドルプロジェクトに参加する。


このプロジェクトは本気だ。

期間が始まったら、選ばれた人たちは全員、寮に入らなくてはならない。家に帰ろうと思えば帰れるんだろうけど、そんなことをしている余裕なんてないと思う。

このことは最初から決まっていて、あの時のポスターにも説明が書かれていたし、ホームぺージにも同じことが書いてあった。

うちの両親はぽやぽやした楽観的な人だからアイドルになりたいと本気で言った時も、このことを知った時も、頑張って〜と応援してはくれたものの、あんまりわかっていないようだった。


一番心配してくれたのおばあちゃんだ。

特に、寮生活を反対していて、わたしがひとりで生活していけるのか不安でならない様子だった。


その心配を押しのけてオーディションに参加するんだから、下手な結果は残せない。

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