アイドルプロジェクト!

自覚と覚悟

《side奥村飛花》

「ついに今日だねっ、飛花!」


電車に揺られること約3時間。

大きなキャリーケースを持ってわたしたちは目的の場所に向かってる。
ついにこの日がやってきた。

「うんっ」

学校に行ってたら今日が始業式だったらしい。地元の子たちが見慣れない制服を着て、電車を待っているのを見かけた。
本当だったら今日からわたしたちは花の高校1年生。

わたしたちにキラキラはじけるような青春が待ってる…ってわけじゃないけど、今、胸はわくわくとドキドキでいっぱいだよ。




「…ここ、?」


目の前には今までに見たことないほど高くて大きなビル。
地元にはこんな大きな建物なかったからついつい圧倒されちゃう。
周りにも大きな建物はあるものの、この建物が群を抜いて高い。ずっと見上げてたら首が疲れちゃうね。

駅を出てから少し迷ってしまったけれど、メールで届いた地図によればここで合ってるはず。


2人で手を繋ぎ、恐る恐るビルに足を踏み入れた。


高級感のあるシルバーで統一された内装。


見るからに凄そう…。


なんだか、ここにいる田舎者のわたしたちが場違いなきがしてきたよ。



集合は9時30分。

現在の時刻は9時15分。


なんとか間に合ったみたい。


ここからどうしていいか分からず、とりあえず受付でにいる女の人に声をかける。
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