恋とプライド
回想
裕翔『俺が愛してやる』
見つめられてドキドキする木葉。
木葉(もしかして麻田さん、私のこと…好き…?)
(いや、でも今の流れでそれはない)
(それは自意識過剰だ)
(きっとこれは麻田さんなりの優しさ)
(そこを勘違いしてはいけない)
木葉「ふぅ」
息をひとつ吐き出して。
木葉「ありがとうございます」
柔らかく微笑む木葉。
木葉「でも大丈夫です」
「無償の愛は両親からたくさんもらっているので」
「私の卑屈な性格も、コンプレックスも」
「自分でなんとかしないといけませんから」
「そしてなんとか出来ると信じていますから」
裕翔、ジッと木葉を見てから、フッと笑って。
裕翔「弱くはないか」
裕翔、木葉から手を離し、立ち上がって前の席に着く。
裕翔「よし」
「食べよう」
「午後も忙しくなるかもしれないし」
木葉「はい!」
食べ進めるふたり。
それから裕翔、木葉の方は見ずに。
裕翔「でも、もし」
木葉、裕翔を見る。
裕翔「親以外からの愛情がほしくなったら」
「遠慮なく言えよ」
「俺が抱きしめてやるから」
回想終わり