恋とプライド
〇回想
(塾)
順位表を手に男の子と張り合う様子。
信「また負けた~」
木葉「私に勝とうなんて10年早い」
大袈裟に自慢して見せる木葉と悔しがりつつも楽しそうな信。
(互いに別の学校を受験)
(卒業式)
木葉を避けるようにする信。
何かしてしまったのかと不安になる木葉。
(入学後)
駅で出くわす二人。
互いに違う制服で。
木葉、反応が気になりつつもいつも通りの笑顔で。
木葉「おはよう」
信「おはよう」
木葉、新しい信の制服を見て。
木葉「似合っている」
「入学おめでとう」
信、固まり、表情を硬くする。
それから目を逸らし、何も言わず別の車両に走って行ってしまった。
信の背中を困ったような顔で見る木葉。
その様子を見ていた小学校の同級生の男子。
同級生『避けることないのにな』
木葉、振り返って。
木葉『様子おかしかったよね?』
『なにか知ってる?』
友達『学歴コンプレックスだよ』
木葉『え?』
友達『分かんねーのか』
『避けたあいつもあいつだけど』
『内野は頭いいくせに人の気持ちに疎いんだよな』
木葉『疎い?』
(そんなつもりはないけど)
(そう思っているのは私だけで)
(知らないうちに傷つけていたりした…?)
混乱する木葉。
友達はフッと鼻で笑って。
友達『あいつ、お前のこと好きだったんだよ』
『でも好きな女子に負けたから』
『劣等感ってやつ抱えて』
『さらには制服に触れられて』
『ダメ押しくらって逃げたんだ』
木葉『そんな…私はただ』
(おめでとうって言いたかっただけなのに)
友達『そこに気遣いできないのが気持ちに疎いってことだ』
『内野』
『勉強だけ出来たってダメなんだと俺は思うぞ』
なにも言い返せない木葉。
回想終わり