恋とプライド
シナリオ3

3話

⚪︎学校 登校

腕組みをして考えながら歩いている木葉の背後から百華。

百華「おはよう!」

木葉「おはよう」

百華「どうした?」
「悩み事?」
「もしかしてバイトでなんかあった?」

木葉「ないと思うんだけど」
「身に覚えがないだけかもしれなくて」
「よくわからないんだよね」

百華「なにそれ」

笑う百華。

百華「考えてもわからないことは考えるだけ無駄かもよ?」
「バイトがツラいとか人間関係で揉めてるとかじゃないんでしょ?」

木葉「うん」
「みんないい人たちだし楽しいよ」
「英会話も役に立ってね」
「一号店に通っていたおかげでメニューも完璧で」
「即戦力って言われちゃった」

百華「それは嬉しいね!」
「木葉は勉強だけじゃなくて仕事も出来るのかー」
「羨ましい」

木葉「百華は?」

百華「私も楽しいんだけど」
「小学生に教えるのって難しいの」
「でもやりがいを感じてる」

生き生きとした表情の百華。

百華「私ね」
「教師になろうと思う」

木葉「ご両親の病院継ぐんじゃなかったの?」

百華「そこは兄に任せて」
「私は教育学部のある学校に進学する」
「親にもそう話したら応援してくれるって」

木葉「そっか」
「よかったね」

百華「木葉は?」
「進路、考えてる?」

木葉「私は」

(父親が弁護士だからその道に進もうかと思っていたけど)
(百華みたいに自分で見つけた夢ではない)

(そういえば)
(木崎さんはショップを開きたいって言っていたっけ…)
(どうやってやりたい仕事を見つけたんだろう)
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