すべてを捨てて、君を迎えに行く
「え、京弥くん童貞だったの?」
星來が京弥の気持ちを受け入れ晴れて夫婦となったその夜。
初めて身体を重ねた後、うつらうつらとしていた星來は衝撃で目が覚めた。
星來の言葉にすぐ隣で衣服を纏わず横になっていた京弥は不機嫌そうに口を尖らせた。
「…なんだよ、下手だったでも言いてえのか」
「いや、私初めてなんだから上手いも下手も分からないよ。そうじゃなくて、京弥くん昔からあれだけモテてたのに吃驚して」
星來の頭を自身の腕に乗せながら、京弥は頭の後ろで手を組みフンと鼻を鳴らした。
「初めてとは言ってない。ほぼ無いっつったんだ」
「あれだけ熱愛報道出てたのに?男の人ってすぐにそういう事したがるじゃん」
「俺は元々そっち方面淡白だったんだよ。それにすぐヤりたがるのは女も変わんねえよ」
一度気を許して手を出せばすぐ勘違いをして次はいつだ、もっと一緒に居たいとこちらの都合も考えずにグイグイとせがまれうんざりしてしたと言う。