すべてを捨てて、君を迎えに行く
するとどうだろう、頭の後ろで組んでいた手をおもむろに解き、身体を起こして京弥が覆い被さってきた。
「勃った」
そして一言、真剣な目をしてとんでもない事を言った。
「は!?」
「どうしてくれんだコレ。責任とれや」
確かに下腹部の辺りに硬いものが当たっている感覚がする。
いやこれはわざと当てているのか。
先程までの余裕が一切消え、星來は顔を真っ赤にしながら慌てふためく。
「せ、責任って、さっき淡白だって言った」
「淡白だった、つったんだ。人の話ちゃんと聞けや」
「さ、詐欺だこんなの!」
重ねて言うが、これは初夜である。
つまりこれまで異性経験の無かった星來は、つい先程純潔を散らしたばかりなのだ。
そうでなくても今の京弥は目の毒なのに。
彫刻のように美しい筋肉のついた身体、きめ細やかな肌、感嘆すら漏れる程に整った顔。
そして何より、目の前の女を喰まんと熱を含んだ瞳は色気に溢れている。