すべてを捨てて、君を迎えに行く
ただでさえ女なら誰でもあっという間に陥落しそうな姿なのに、それが愛しくてたまらない男なら尚更。
決して嫌な訳ではない…けれど、一言で言うなら刺激が強すぎるのだ。
やっと初めての行為の後の恥ずかしさが落ち着いてきたばかりなのに、経験の無い自分がこんな状況耐えられる訳がない。
「も、もう無理です…」
爪の先まで真っ赤にしながら両手で顔を隠す。
しかし京弥はそんな星來の手を顔から離してそっと引き寄せ、手首にキスを落としてはそこに扇情的に舌を這わせた。
ピクリと反応した星來を愉しそうに見ると、そのまま頭を落として耳元で囁いた。
「恨むなら俺をこんなにした自分を恨むんだな」
「…っ」
怖気付く心とは正反対にゾクリと反応する身体はとても正直で、星來は震えながらも目の前の愛しい夫の首に腕を絡めた。
それに気をよくした京弥は艶かしい水音を立てながら唇でゆっくりと肌を伝い、星來のそれに深く口付けた。
「愛してる」
もう何度目か分からない愛の言葉を聞き、星來の心は幸せで満ち溢れるのだった。