「エフクトレロ 未来の記憶を持つ子どもたち」

第12話：北西の目的地
出発の朝

翌朝、子どもたちは廃墟から北西の目的地へ向けて出発した。青い石と緑の石を慎重に持ち、地図を頼りに進んでいく。

「北西って、今までで一番遠い場所だよな。」フライがぼやきながらも、地図をじっと見つめた。

「それだけ重要な場所ってことよ。気を引き締めて行きましょう。」ローザが冷静に返す。

「途中で食料が切れたら困るから、寄り道しながら補給も忘れないようにしよう。」クリムが提案する。

「俺たちで乗り越えられないものはない！ 全員で力を合わせていくぞ！」エールが全員を元気づけた。

森の中の異変

北西へ向かう途中、森の中に足を踏み入れると、これまでとは明らかに雰囲気が違う区域にたどり着いた。木々は背が高く、葉が絡み合って太陽の光がほとんど届かない。

「何か気味が悪いな……。」トロイが不安そうに呟く。

「ここ、自然にできた森じゃない気がする。」ローザが木々を観察しながら言った。

さらに進むと、地面には奇妙な石がいくつも埋め込まれており、その石は青や緑にかすかに光っていた。

「これ……青い石と同じだ！」エールが地面を指差した。

突然の危険

全員が石を調べていると、どこからともなく低い唸り声のような音が響き渡った。慌てて音の方向を探すと、森の奥から黒い影が現れる。

「何だあれ……動物？」フライが構えながら後ずさる。

その影は巨大なイノシシのような生き物だったが、目は赤く光り、不気味な雰囲気を纏っていた。

「まずい！ 逃げるぞ！」レンジが全員に指示を出す。

力を合わせた対策

イノシシのような生き物が追いかけてくる中、子どもたちは必死に逃げるが、森の複雑な地形が行く手を阻む。

「待て、これを使うんだ！」エールが咄嗟に青い石を掲げた。

すると、青い石がかすかに光り始め、温かな波動が森全体に広がった。驚いたことに、イノシシは突然動きを止め、後ずさりして森の奥へと消えていった。

「やっぱりこの石には特別な力があるんだ……！」ローザが息を切らしながら言った。

北西の目的地に到達

危険を乗り越えた子どもたちは、ようやく地図に示された北西の目的地にたどり着いた。そこには巨大な門がそびえ立ち、門の中央には青と緑の石をはめ込むためのくぼみがあった。

「これだ……この門を開けるには石を使うんだ！」エールが興奮気味に叫ぶ。

「でも、開けたら何が待ってるのか分からないわ。慎重に行動しましょう。」ローザが釘を刺す。

門の先の世界

子どもたちは青と緑の石を門のくぼみにそっとはめ込んだ。すると、石が強い光を放ち、門がゆっくりと開いていった。

門の奥には、広大な地下空間が広がっていた。そこは不思議な光で照らされ、壁には無数の模様と文字が刻まれている。中心には大きな祭壇のような台座があり、その上にはさらに輝く赤い石が置かれていた。

「これが最後の石……？」トロイが呆然と呟く。

「いや、まだ何かがある。この空間全体が何かの仕掛けになってる気がする。」ローザが慎重に周囲を見回した。

次なる謎

子どもたちは祭壇に近づき、赤い石を調べ始めた。その瞬間、地下空間全体が震え、不気味な音が鳴り響いた。

「何だ!? 地震か？」フライが叫ぶ。

「違う……何かが目覚めたのかもしれない。」レンジが低い声で言った。