「エフクトレロ 未来の記憶を持つ子どもたち」
第13話:赤い石の目覚め
震える地下空間
赤い石を祭壇から持ち上げた瞬間、地下空間全体が震え始めた。壁に刻まれた模様が徐々に光り、青、緑、そして赤の三色の光が空間全体を包み込む。
「何が起きてるんだ……?」エールが驚きの声を上げる。
「これは……石に込められたエネルギーが解放されてるのかも。」ローザが模様を必死に観察する。
「とにかく、ここから早く脱出しよう! これ以上ここにいるのは危険だ!」レンジが冷静に全員を促す。
石の導き
子どもたちが祭壇を後にしようとした瞬間、赤い石が強く光り出した。手にしていたエールは、一瞬視界が白くなり、頭の中に何かが流れ込むような感覚を覚えた。
「何だ……? 頭の中に映像が浮かんでくる!」エールが驚きながら石を握りしめる。
「どんな映像?」ローザがエールに駆け寄る。
「この島の過去みたいだ……。昔、ここに住んでた人たちが、この石を使って島を守ってた。けど、ある時に何か大きな災いが起きて、人々は島を離れたらしい。」エールが言葉を詰まらせながら語る。
「それじゃ、この島に隠された石は、災いを封じるためのもの?」クリムが驚きの声を上げる。
「かもしれない。でも、それなら私たちがこれを持ち出すことで何かが起きるかもしれない……。」ローザが慎重に推測を述べた。
外の世界が変わる
震えが収まり、子どもたちが地下空間を出ると、外の森が変わっていた。空気が澄み渡り、森の植物が輝きを放っているように見えた。
「これ……なんだか雰囲気が全然違う。」トロイが息を呑む。
「石の力が島全体に何かの影響を与えてるのかも。」ローザが赤い石を見つめた。
その時、遠くの海の方向から低い音が響いた。まるで何かが動き出したような音だった。
新たな挑戦:石を元の場所に戻す?
「これ、もしかして石を祭壇から持ち出したから起きたんじゃないか?」レンジが提案する。
「でも、石を戻したら島全体が元通りになるか、それとももっと悪いことが起きるかわからない。」ローザが慎重に反論する。
「いや、もう一度地下に戻って石を祭壇に戻すべきだ。何かが解放される前に。」エールが決断を下した。
全員が同意し、再び地下空間へと戻ることを決めた。
祭壇の真の力
地下空間に戻ると、祭壇の模様がさらに強い光を放っていた。赤い石を再び祭壇に置くと、空間全体が静寂に包まれた。
「これで終わり……?」クリムが小声で呟く。
突然、祭壇の中心が開き、さらに奥へ続く道が現れた。その道の先には、3つの石が揃うことで動く仕掛けが待っているようだった。
「まだ終わりじゃないみたいだな。」エールが奥を見つめる。
「この先に何かがある……私たちが解明しないと。」ローザが決意を込めた表情で言う。